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放電加工の原理

放電現象とは?

『放電(ほうでん)は電極間にかかる電位差によって、間に存在する気体に絶縁破壊が生じ電子が放出され、電流が流れる現象である。(出典:Wikipedia)』

と、書かれていますが、いまいちパッと理解できないですよね。一般の方でも馴染みのある現象といえば、「雷」でしょう。雷は雲と雲の間や雲と地面との間で電位差が生じ、放電によって光と音が発生する現象のことです。弊社で行う加工法も、雷と同じ現象を利用し金属を加工しています。

放電加工の原理

 放電加工は、上記の放電現象を人工的に発生させて加工を行っています。ですが、「雷で金属が溶けた」といった事象はありますが、溶けたものはすくい出したりしない限りなくなることはありません。  では、放電加工ではどの様にして放電現象を利用して金属を切るのでしょうか?

 それは、下記の様なサイクルを繰り返すことで少しずつ削っています。

  • 1. 電極と加工物の間が十分離れていて、その間は絶縁体の液体(純粋や抵抗値の高い油)で満たされています。
  • 2. 電極を加工物に徐々に近づけると、あるところで絶縁破壊が生じます。
  • 3. 絶縁破壊が起きると、放電柱と呼ばれるものが結ばれ、柱の両端の根本が高温となって溶解します。
  • 4. 3のタイミングで両方の間にあった液体も気化爆発を起こし、気泡が生じます。その爆発によって先ほど溶けた材料やガス・イオンなどが排出されます。
  • 5. 再び、両方の間を絶縁体の液体が満たし、冷却すると共に絶縁状態が回復します。

このサイクルは1秒あたり数十〜数百万回繰り返して行われます。この様に繰り返し行うことで、局所的に溶かしては溶けた部分を削りとり、溶かしては削りを繰り返していく加工法になります。

では、次のページでは放電加工の中でも「ワイヤーカット放電加工」の原理について触れていきます。